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2025.03.31
エビデンスはあるのか? 〜科学的根拠の儚さ〜
「その話に科学的根拠はあるのか?」
これは、現代社会において何かを主張するときによく聞かれる言葉です。医療・健康・ビジネス・教育… あらゆる分野で「エビデンス(科学的根拠)」の有無が重要視されます。しかし、そのエビデンスは本当に絶対的なものでしょうか?
10年後、論破される論文たち
「今日発表された論文の9割は、10年後には論破されている。」
こんな話を聞いたことがある人もいるでしょう。実際、科学の世界では「新しい発見が過去の常識を覆す」ことが頻繁に起こります。
たとえば、かつては「胃潰瘍はストレスが原因」と信じられていました。しかし、1980年代にオーストラリアの研究者バリー・マーシャルが「ピロリ菌が原因である」と発見し、自ら菌を飲んで実証したことで、従来の常識は覆されました。今では、胃潰瘍の治療は抗生物質が主流です。
このように、「エビデンス」は時代とともに変化します。今日の常識は、明日の非常識になりうるのです。
永遠の真理は存在するのか?
数学の定理のように、変わらない真理もあります。しかし、人間が関わる分野では「絶対的な真理」はほとんど存在しません。
・「健康に良い」とされる食事法も、時代によって変わる。
・「正しい」とされた教育方法も、数十年後には見直される。
・「効率的」とされたビジネスモデルも、技術の進化で時代遅れになる。
私たちが信じている「正しさ」は、科学の進歩や社会の変化によって更新され続けるものです。
だからこそ大切なのは?
大切なのは、「今あるエビデンスを鵜呑みにしないこと」と「新しい知見に柔軟に対応すること」。
科学的根拠は重要ですが、それを絶対視すると、思考が硬直し、新しい発見を受け入れられなくなります。変わることを前提にしながら、今のベストを選択していく――そんな柔軟な姿勢が、これからの時代を生き抜く鍵になるのかもしれません。
※徒手療法的には科学的根拠と効果の成立を持って行うべきであると思います。