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2025.03.25
1. 肩の石灰化とは?
肩の腱板(けんばん)にリン酸カルシウムの結晶が沈着し、炎症や痛みを引き起こす疾患です。特に**棘上筋腱(きょくじょうきんけん)**に多く見られます。40〜60代の女性に多いですが、男性にも発生します。
2. 症状
症状の程度は個人差がありますが、主に以下のようなものがあります。
① 無症状期
• 石灰が蓄積しても痛みがないことが多い
• レントゲン検査で偶然発見されることも
② 急性期(炎症が強い時期)
• 突然の激しい痛み(夜間痛が特に強い)
• 肩を動かせないほどの可動域制限
• 炎症による腫れや熱感
③ 慢性期
• 軽度の痛みが続く
• 肩を動かすと違和感や引っかかりを感じる
• 石灰が自然に吸収されると痛みが軽減
3. 原因
はっきりとした原因は不明ですが、以下の要因が関係すると考えられています。
• 血流の低下:腱板の血流が悪くなり、石灰が沈着しやすくなる
• 微細な損傷の繰り返し:日常的な動作やスポーツなどで腱板に負担がかかる
• 加齢による変性:年齢とともに腱が弱くなり、石灰が沈着しやすくなる
4. 診断方法
• レントゲン:石灰の沈着を確認
• 超音波検査(エコー):炎症の有無や石灰の大きさを詳しく見る
• MRI:腱板の損傷や周囲の炎症を確認
5. 治療方法
症状の程度に応じて、以下の治療法が選択されます。
① 保存療法(自然治癒を待つ)
• 痛み止め(NSAIDs):ロキソニン、ボルタレンなどの服用
• 安静:肩を動かしすぎないようにする
• 温熱療法:血流を促進し、石灰の吸収を助ける
② 注射治療
• ステロイド注射:強い炎症を抑える
• 生理食塩水注入+吸引(バースト法):針を刺して石灰を洗い流す
③ 物理療法(リハビリ)
• 超音波療法:石灰の分解を促進
• 運動療法:肩の可動域を回復させるためのストレッチや筋トレ
④ 手術(稀なケース)
• 関節鏡視下手術:保存療法で改善しない場合、関節鏡を使って石灰を除去
6. 予防策
• 肩周りの血流を良くする(温める・ストレッチ)
• 無理のない範囲で肩を動かす(可動域を維持)
• 同じ姿勢を長時間続けない(血流を悪くしない)
肩の石灰化は自然に吸収されることもありますが、炎症期は痛みが強く日常生活に支障をきたします。適切な治療とリハビリで症状を軽減し、再発を防ぐことが大切です。
※カイロプラクティックでは適度な筋膜リリースは石灰化による周辺組織の癒着を取り除き、痛みは軽減され自己治癒を促すと事が考えられる。