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2025.03.14
外側広筋が拘縮することで、膝蓋骨の運動にはどのような影響が?
外側広筋は大腿四頭筋の中で最大・最強の筋肉である。筋力は大腿四頭筋の中で40パーセントを占める。これに対して内側広筋の筋力は25パーセントである。
外側広筋(斜頭)の停止部は膝蓋骨外側縁に付着する。さらに外側膝蓋支帯、膝関節前外側関節包にも付着がある為、膝蓋骨の安定化構造を作っている筋肉でもある。
この外側広筋が拘縮すると膝蓋大腿関節の不安定性が生じてしまい、膝蓋骨は当然外側に不安定性を作ってしまう。膝伸展と同時に外側にズレる為、膝蓋骨の外側関節面が大腿軟骨部に強く擦れる為、膝蓋大腿関節痛を発生させてしまう事が考えられる。特に階段の下りなどでは外側広筋は身長性収縮を強く維持している為、膝蓋骨の運動障害が起こりやすく痛みが出やすい。慢性化すると変形性膝関節症を作ってしまう。
膝蓋骨の運動障害に対してのアプローチ方法
膝蓋骨はほぼ外側にしかズレない。ズレを作っているのは外側広筋の拘縮によるものが多い為、外側広筋の特に斜走繊維をしっかりリリース。同時に内側広筋斜走繊維の機能低下も考えられる為、内側広筋にも刺激を入れる必要がある。その他、内側広筋を鍛える運動療法や膝蓋骨へのテーピング療法など。患部へはフリクションでの麻酔効果なども効果的だがやり過ぎると軟骨炎症により水が溜まる事がある。
補足
膝蓋骨はもともと外側にズレやすい構造である。大腿直筋の起始部がAIISであり、膝蓋骨よりも外側にある事や、もともと内側広筋よりも外側広筋の方が発達している事など。その他、外側広筋と腸脛靱帯は癒着しやすい。