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2025.03.06
前庭
主に内耳の前庭器官や、これに関係するシステムをいう。
◯前庭の主要な種類・構造
①内耳の前庭→内耳の蝸牛と三半規管の間にある空間。平行感感覚(姿勢制御や重力や角加速度の感知)を司る器官の総称的な部分。構成要素は垂直方向の加速度や重力を感知する卵形嚢。水平方向の加速度や重力を感知する球形嚢。この二つをまとめて耳石器と呼ぶ。
➁三半規管→前庭に付随する構造物であり、頭の回転や加速度を感知する器官。
・水平半規管(横方向の回転を感知)
・前半規管(縦方向の回転を感知)
・後半規管(斜め方向の回転を感知)
◯前庭に関連する神経系
前庭機能を支える神経やシステムも「前庭」の一部として分類。
①前庭神経
・内耳の前庭からの感覚情報を脳に送る神経。
・上枝→三半規管(前・水平)と卵形嚢からの信号を伝える
・下枝→後半規管と球形嚢の信号を伝える
➁前庭核
・脳幹の延髄と橋に存在する神経核群。前庭神経からの情報を受け取り、小脳や視覚、体制感覚と統合して平衡感覚を制御。
◯前庭核の種類
①外側前庭核
脳幹の延髄と橋の境界付近に存在。主に外側前庭脊髄路を通じて姿勢制御に関与。
➁内側前庭核
外側前庭核の近くにあり、脳幹内で比較的中心部に位置。頭部の動きに応じて姿勢と眼球運動を調整。前庭動眼反射を作る。
③上前庭核
前庭核群の中でも最も上部に位置。主に三半規管からの信号を処理し、頭の回転運動や角加速度の感知に関与。前庭小脳路を通じて、小脳に情報を送る。
➃下前庭核
前庭核群の中でも最も下部に位置し延髄寄りにある。前庭器官全体からの情報を統合し、他の前庭核や小脳、脊髄に送る。姿勢や平衡感覚の調整に広く関与。小脳との連携を通じて、全体的なバランス制御を補助。
※4つの前庭核は独自の機能を持ちながら密接に連携して平衡感覚や姿勢制御、眼球運動を統合している。
◯前庭核反射
①前庭動眼反射
・頭の動きに合わせて目の位置を調整。
・主に内側前庭核と上前庭核が関与。
➁前庭脊髄反射
・バランスを保つために体幹や四肢の筋肉を調整する反射。外側前庭核と内側前庭核が関与。
③自律神経
・前庭核の異常が吐き気やめまいを引き起こす。
(前庭性めまい)
◯前庭核の障害
・内側前庭核や上前庭核の異常→めまい、動揺視、動く物が見えにくい。
・外側前庭核の異常→姿勢の崩れや転倒の増加。
・下前庭核の異常→バランス感覚の異常。特に上下運動時のふらつき。
◯疾患例
・前庭神経炎 ・メニエール病 ・脳幹梗塞
名古屋カイロプラクティック